予防歯科
(定期検診の重要性と行うこと・スケーリング・SRP・PMTC・TBI)
当院は、すでに欧米では標準となっている、パウダーでバイオフィルムを除去する
「パウダーメインテナンス」を採用しています。
虫歯や歯周病の治療で歯医者さんに行った後に、
予防のために定期検診を受けてくださいと言われることがあると思います。
予防歯科とはいったい何をするのか、ご自宅の歯磨きだけでは予防はできないのか?
詳しくご説明します。
何故、歯医者さんでの定期検診が重要か
理由1:歯磨き(ブラッシング)だけでは
約60%しか汚れは落とせてないといわれています。
自宅でのブラッシングやセルフケアは非常に大切です。
歯科衛生士さんにしっかり歯磨き指導を受けて実践していれば、歯茎や歯周ポケットの状態は、健康に保たれます。
それでも歯の性質・歯並び・だ液の性質・
生活環境・食生活・ご年齢…
各々の環境により様々なリスクがありますが、
しっかり歯磨きをしていても、
奥歯などの見えない箇所や
歯が重なっていて歯ブラシが届かない所、
歯周ポケットの奥深くなど…
気付かないうちに細菌が住処をつくり、
いつの間にか虫歯や歯周病の原因になっていくのです
理由2:食後の食べカスや汚れは約8時間で
プラーク(歯垢)ができるといわれています。
朝と夜は歯磨きをする方は多いと思いますが、
学校や職場で、お昼ご飯を食べたあとはどうでしょう?
しっかり歯を磨いている方は少ないのではないでしょうか。
その食べカスや汚れ、歯垢=プラーク(細菌のかたまり)は
歯ブラシが届きにくい、歯と歯の間や
歯と歯茎の隙間が大好きです。
歯磨きをしていても、
肉眼で見えない隙間などで
プラークは虎視眈々と細菌を蓄積しているのです
理由3:お口の中で残ったプラークは
約48時間で歯石になり始めるといわれています。
歯磨きだけでは落としきれなかったプラークは、唾液中のカルシウム成分と混ざり石灰化し歯石に変わります。
歯石は、一度出来てしまうと、歯ブラシではなかなか落としきれません。
また、歯石は、デコボコした形状なため、プラーク(歯垢)が付着しやすく、歯周病の原因になります。
重要なのは、歯石は歯の見えるところだけじゃなく目視できない箇所や歯茎の中にもできるということです。
鏡で見ただけではわからない歯の汚れ
歯磨きだけでは取れない歯の汚れがあるのです。
歯の健康を維持するには、
国家資格を持つ歯科衛生士さんに、
専用の機械でしっかり汚れを除去してもらうことが大切です。
そのため、歯医者さんで定期的に検診を受けることがとても大切なのです。
定期検診で行うこと
歯周病の検査
歯茎の状態や出血の有無、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の深さや歯のぐらつき(動揺度)などを調べます。
レントゲン検査
歯を支えている骨の状態を調べる検査です。
歯周病は、歯を支えている骨を溶かすので、
現在の骨の状態を見極めます。
口腔内写真
レントゲンでは再現出来ない歯や歯茎の色、形態を確認するため、
口腔内の写真を撮影致します。
また、治療前と治療後の経過観察のためにも非常に重要です。
歯周ポケット検査
歯周ポケットの溝の深さを計測することで、どの場所の歯周組織に異常があるかを判定します。
4mm以上の深さの場合は歯周病が進行する可能性が高くなります。
出血検査
歯茎の出血を確認します。
出血の有無により炎症がある場所を判定します。
出血がある場所は、歯周炎の可能性が高くなります。
動揺度検査
歯の揺れの大きさを調べます。
揺れが大きいと、歯を支える骨やその周りの組織が炎症を起こしたり、傷ついていたり、歯周病の影響を受けていることを示します。
歯石除去
歯周病の検査で口腔内の状態を検査した後に、歯石が確認できる場合は、歯石を除去していきます。
歯の歯茎より上の部分(縁上)の歯石除去をスケーリング、
歯周ポケット内などの歯茎の中(縁下)の歯石除去をSRP(スケーリング・ルートプレーニング)といい、
状態により、それぞれ処置を行っていきます。
スケーリング
歯の見えている歯茎より上の部分(縁上)の
歯石除去をスケーリングといいます。
歯石が確認された方には、
スケーラーと呼ばれる器具を使用して、
主に歯の表面の歯石や
バイオフィルム(細菌の塊)を除去していきます。
SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
歯周ポケット内などの歯茎の中(縁下)の歯石除去をSRP(スケーリング・ルートプレーニング)といいます。
定期検診で行う検査にて、SRPの処置が必要と判断された場合は、歯周治療の領域に移行し、
歯周ポケットの内部に溜まった歯石を除去していきます。
※定期検診後の治療となります。
歯のクリーニング(PMTC)
PMTCとは、Profesional Mechanical Tooth Cleaningの略で、
ホームケアだけではコントロールしにくい部分を歯科医院でケアする、プロフェッショナルケアの1つです。
毎日隅々まで磨いているつもりでも、どうしても歯ブラシの届きにくい所や汚れのたまりやすい所ができてしまいます。
こういった部分から虫歯や歯周病が進行するのを防ぐために、専用器具を使用して徹底したお掃除を行います。
歯を治療するのではなく、予防する為に歯科医院に来てみませんか?
①ペースト塗布
歯の表面に専用のクリーニングペーストを塗ります。
②歯と歯の隙間を清掃
プラスチックのチップを使って歯の間の汚れを落としていきます。
磨ききれない頑固な歯垢・ヤニ・茶渋がとれていきます。
③歯面のクリーニング
柔らかいラバーカップで歯と歯肉の境目の汚れを落とします。
歯みがきでは破壊できない細菌の膜「バイオフィルム」を取り除きます。
④歯面の艶出し
爽やかな洗浄液がお口の中をきれいに洗います。
歯の表面に再び汚れをつきにくくし、カルシウム補給を助けます。
ブラッシング指導(TBI)
歯科衛生士さんから正しい歯磨きの仕方を指導してもらいます。
毎日歯磨きをしているから大丈夫と思っていても、ご自身の歯の状態、
歯茎の状態により適切な歯磨きの仕方があります。
正しいブラッシングの方法でプラークコントロールをしましょう。